DeepL+Kindleで読んでみた洋書 ジョンライドンの義理の娘”じゃない方”が書いたパンクの内情 甘酸っぱくて少女にとってはほろ苦い
女性パンクパンド スリッツのメンバーでジョンライドンの義理の娘”じゃない方”の自伝です
全般的に大変甘酸っぱく青臭い (小便臭いと言ってもいいかもしれません)
転校生のちょっと不良なイケメンにちょっかいを出して、授業中に「彼女は俺の事が好きなんだぜ」と言われてしまうなど、なんだかリアル矢沢あいワールド
NANAってむしろリアルだった!?という甘酸っぱい描写が
そして印象的だったのは当時の男尊女卑社会について、彼女はジョンレノンに心酔していたのですが、
”ジョンは面白くて、頭の回転が速く、知恵のある賢い人だと思いました。彼が私のミューズであることの唯一の問題は、彼が自分の感情についてとてもオープンだったことでした - 彼は自分の母親やヨーコ、叔母について書いたり話したりしていました、彼の人生において女性がどれほど重要であったかを認めていました -
だから私はすべての男の子がこのようなものだと思っていました - そして私の大きな失望は、彼らのほとんどがそうではなかったこと。または今もそうではないことです。”
パンクのテーマはフェミニズムだったとしても、それはそういう事を「言っていた」だけで、実際の社会は男尊女卑の男社会だったということを皆見過ごしてしまっていると思うのでした
海外デハーって「男がこんな立派な事を言ってた」「日本なんかと違って××だ!」ということは凄く訴えるんだけど、決してリアル女性の意見を聞こうとしない
英音楽界は特に男尊女卑が酷いので、女性ミュージシャンの意見をちゃんと聞けば海外デハーという結論にならないと思うんです
「日本なんかと違って海外の女性は××だ!」という一般論として取り上げ方はしても、彼女たち個人の実際の訴えは聞こうとしない
女だからって偏見受けてる、セクハラ受けてる、馬鹿にされてる! と彼女たちはちゃんと訴えてるのに全部無視して海外デハー
”私はミュージシャンを目指していたわけではありませんでした。当時は平等ではなかったので、女の子が男性の領域を越えてバンドを組むことは考えられませんでした。”
そういう実際の空気を都合よく無視してるのがとても気になるのです
Clothes, Clothes, Clothes. Music, Music, Music. Boys, Boys, Boys. (English Edition)
- 作者:Albertine, Viv
- 発売日: 2014/05/12
- メディア: Kindle版
オアシスとは=ロキノンなのか!?という話
近年のロキノンと言えばオアシスべったりで特にネットは四六時中ギャラガー兄弟のゴシップを拡散しているというイメージなのですが、じゃあロキノン=オアシスなのかというとちょっと違うんじゃないかという話です
昔のロキノンというと、「内容の半分以上が音楽と関係ない自分語り」とよく言われていて、実際80年代のロキノンを読むと本当に記事の半分くらいは音楽と直接関係ない自分語りなので、これでお金を取れると発見した人はコロンブス並みの偉人だと思います
でもオアシスって基本ノエルの話が面白いので、関係ない自分語りを挟む余地がない 自分語りより、兄弟喧嘩の実況しろよ!って感じになる
ロキノンの駐英の人とか、現地の情報について自分の解釈を発信するんじゃなくて兄弟げんかゴシップ中継所みたいになっている
だから、ロキノンって四六時中オアシスオアシス言ってるけど、本当はそんなにオアシスが好きじゃないんじゃないかと感じていて、記事を読んでいても、本当はオアシスに興味ないんじゃないの?と思う事が多い
90年代当時から今に至るまで全然情報がアップデートされなくて同じことしか言ってないし、兄弟が移民の子であることとか背景を掘り下げることなく、10年一日の如く、ノエルとデーモンと弟の喧嘩の中継してるだけというのが…
(実際のとこ、UK班の女性陣は、自分の妄想を垂れ流す隙間のあるSUEDEやザ・リバティーンズの方が好きだと思う)
ノエルのインタビューを翻訳して載せてくれるだけでもありがたいので、自分語りよりは今のゴシップ中継所で全然かまわないんですけど、時々ロキノンの人達がもっとオアシスに興味を持ってくれていたらいいのに、掘り下げてくれたらいいのにと思うことがあります
そんなわけでこの本も、自分語りが大半ということはないので、普通に面白いです
- 発売日: 2010/12/01
- メディア: 単行本
エモいぜエモいぜエモくて死ぬ これは「文学」だと思いました ケンローチに映画化してもらいたい
ジョイ・ディヴィジョン創設メンバーでありそのギタリスト、同時にニュー・オーダーのリード・シンガーであるバーナード・サムナーの自伝です
今まで色々な自伝を読んできましたが、この本は純粋に「作品」として素晴らしいなと思いました
特にマンチェスターでの過酷な幼少時代から音楽を始めるまでの描写が素晴らしい ほんと文学だと思いました
どのような不幸も受け入れていくしかなかった人生を、バーニーは恨むでもなく淡々とつづっていきます
そんな過酷な人生の中でもかろうじて噛みしめていた幸福が突然全て失われてしまう運命の残酷さに胸が苦しくなりました
フッキーと完全に決別した後で書かれた本なので、フッキーに対する当時の親愛の情は殆ど書かれていないのに、当時の青春まっさかりなエピソードはいっぱい出てくるのでそれも胸が痛いです
心情は書かれていなくても、一緒につるんで楽しかった事はどうしても伝わってしまうので
私たちは二人、ほとんどの場合私のスクーターの後ろにフッキーが乗り、ユースクラブに通うようになった。一度、ユースクラブの外に立って中に入るのを待っている女の子たちの気を引こうとしたことを覚えている。フッキーはいつものようにスクーターの後ろに乗り、私がエンジンをふかす。
目論見としては『イージーライダー』の| ピーター・フォンダとデニス・ホッパーのサルフォード版のように、クラブの外の芝の丘を颯爽と駆け上がるつもりだったが、後輪がそこで空回りし、スクーターがひっくり返って二人とも泥水の水溜りに放り出されてしまった。女の子たちみんなが見ている前でだ。
恥ずかしい話だが、ほとんどは退屈していたせいで、二人でちょいちょいマンチェスターに出かけ万引きをすることもあった。 47P
それも、色んなものを失いながらもそれを受け入れていった彼の人生そのままなのかもしれないなと思いました
当時の英国の状況もよく判る、素晴らしい本だと思いました
ぜひ読んでもらいたいです
イギリス人が書いたドイツのクラウトロックの評伝。そして「クラウトロックを通して英ロック史を語っている本」でもあると思いました
DeepLで読んでみたKindle洋書 ”じゃない方”(和訳本が出版されなかった方)の自伝に綴られた、日本には伝わらなかった格差のこととか
Thanks a Lot Mr Kibblewhite: My Story (English Edition)
- 作者:Daltrey, Roger
- 発売日: 2018/10/23
- メディア: Kindle版
DeepL+Kindleで読んでみた洋書 ブライアン・エプスタインの手掛けた女性歌手の自伝 当時のリバプールやビートルズ周辺の様子が判ってとても興味深い
ブライアン・エプスタインがマネージメントしていた女性歌手の自伝
(ザ・スミスがカバーした事でも有名ですね)
amazonのレビューでもビートルズの関連書籍として読んだという身もふたもないレビューが掲載されていますが、私もそのクチです
しかし、当時の労働者階級出身の「女性」の話というのはなかなか知る機会がないので、とても貴重な資料だと思いました
治安の悪い町で育って、自分と同世代の11歳ぐらいの女の子の集団に襲われそうになったり、生まれた町の名前を知られると男の子に敬遠されてしまうとごまかそうとしたり、カトリックの彼女にとって、白人のプロテスタントより黒人のカトリックの人間の方が歓迎される存在だったが、黒人のプロテスタントだったらお終い。という当時の状況などが大変興味深かったです
クリフリチャーズに対する熱狂とか、当時の女の子の様子が判って面白いです
あと初期はビートルズのメンバー(F4)が何かと応援してくれたり、リアル花より男子というか、ビートルズ好きの女子が書いた夢小説のようでもありました
DeepLで翻訳しながら読んだのですが、自伝の文章と機械翻訳は相性がいいみたいで、殆ど問題なく内容が理解できました
日本に伝わらない現地の事情が判って有難かったです
DeepL Kindle 翻訳で検索するとやり方が出てきます
DeepL+Kindleで洋書を読むの、本当に楽しいのでおすすめです