英音楽界ってものすごい男尊女卑の男社会だよなーと常々思っていて、女性ミュージシャンの訴えを聞く耳があったら「海外デハ日本なんかと違って!」という結論には絶対ならないと思うのですが、勿論誰も聞く耳など持つはずもなく…
アート セックス ミュージック (ele-king books)
作者:コージー ファニ トゥッティ
いわゆるラディカルな思考の持ち主で「解放」の支援者である連中には、彼ら自身もわたしの役割(女性としてのそれ)は 洗濯人、料理人、掃除人――COUM活動の中でわたしがこな していたあらゆる仕事に加えて――だと勝手に思い込んでいる、その点が見えていないのにも腹が立った。家事の分担に関して言えば、性の平等は彼らの頭からすっぽり抜け落ちているらしかった 225P
長年、英音楽界では「労働者階級男性の誇り」について語られてきたと思うのですが、彼らの話を聞いていると、同じ階級の女性は基本的に肉親(主に母親)以外はグルーピー以外ほぼ登場しない
いったい労働者階級では女性はどのように生きていたのかずっと疑問だったのですが、この本は数少ない労働者階級の女性が書いた本としてとても興味深かったです
そしてやっぱり女性は母親とグルーピー=生殖担当として扱われていたのだなと
彼女が言うように、当時の男性は皆立派な事を言ってはいたが、実際の女性は家政婦か生殖担当として扱われていたという現実が…
でもその事実に誰も興味がなく
ロック史において、こんな立派な事を「言ってた」ばかりを皆真に受けすぎて、実際にはどうだったのかという現実の部分があまりに無視されてるように思います。
そう言ってたかもしれないが、実際はそんなじゃなかったのに、言ってた事を真に受けすぎた結果、海外デハ幻想が作り上げられてしまったのでは?と感じています