「多くのものを生産して世の中に送り出して いる人と、何も生産しないで、ただ消費ばかりしている人間と、どっちが立派な人間か」 という問い どんな風に宮崎さんに響いたのかなと
漫画 君たちはどう生きるか
宮崎駿さんが気に入った原作ということで読み始めたので、宮崎さんはこの作品のどういうところが気に入ったのかな?と思いながら読んでたんですけど、そしたら
”自分が消費するものよりも、もっと多くのものを生産して世の中に送り出して いる人と、何も生産しないで、ただ消費ばかりしている人間と、どっちが立派な人間か、 どっちが大切な人間か、――こう尋ねてみたら、それは問題にならないじゃあないか。
生み出してくれる人がなかったら、それを味わったり、楽しんだりして消費することは できやしない。生み出す働きこそ、人間を人間らしくしてくれるのだ。
これは、何も、食物とか衣服とかという品物ばかりのことではない。学問の世界だって、 芸術の世界だって、生み出してゆく人は、それを受け取る人々より、はるかに肝心な人なんだ。”
ああ、この部分がものすごく宮崎駿さんに刺さったのかな…と正直思いました。
まず主人公が「勉強のできるちょっと世間知らずの坊ちゃん」で学習院出の宮崎さんみたいだし、「創り出す人間は消費するだけの人間とは決定的に違う存在」とか、”裕福な人間から見た”貧者へのやさしさとか、全般的に宮崎さんの人生を絶対的に肯定するような内容だなと思いました。
この生産者賛美というのは要するに「労働者」を賛美してるのかなと思うのですが、今までの人生でずっと「生み出す側」だった宮崎さんがどうとらえたのか気になります
そんな風に宮崎さんをの事を考えながら読んでみても興味深い本じゃないかと思います。